九大と富士通研、スパコン活用し災害復旧作業のスケジュールを高速に立案する技術

2015年7月10日 16:16

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復旧作業ルートの例(37カ所、6作業班の場合)(ソフトバンクの発表資料より)

復旧作業ルートの例(37カ所、6作業班の場合)(ソフトバンクの発表資料より)[写真拡大]

 国立大学法人九州大学のマス・フォア・インダストリ研究所と富士通研究所は10日、災害時のライフラインや交通網などの復旧対策に、スーパーコンピュータを活用し、最適な復旧作業のスケジュールを高速に立案する技術を開発したと発表した。

 今回、作業スケジュールの膨大な組合せの中から、作業の優先順序、合流作業、担当地区優先、労働時間規約など多くの複雑な制約条件を考慮した上で、効率よく最適な作業スケジュールを立案可能な局所探索アルゴリズムを開発した。

 九州大学情報基盤研究開発センターの高性能演算サーバシステムには、富士通のPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY CX400」を使用し、高効率な並列計算を実行することで、リアルタイムにスケジュールを算出しているという。

 そして、復旧カ所:506カ所、 作業班:64班の場合に適用したところ、制約条件を満たす適切な復旧作業スケジュールの計算を3分で完了させることができた。また、今回開発したアルゴリズムと計算環境は、流通・物流における配送スケジューリングやそれに向けた作業スケジューリングや人員配置への適用も可能。配送時の混雑などの状況変化に応じたきめ細かな配送計画の立案も期待できるとしている。

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