警察による捜査のため「位置情報を秘密裏に取得するアプリ」を無断でインストールすることは違法?

2015年6月19日 17:10

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 セキュリティ研究家の高木浩光氏が、GPS情報を捜査に使ういわゆる「GPS捜査」において、総務省のガイドライン改正により携帯電話事業者と警察が不正指令電磁的記録に関する罪を犯すことになる可能性を指摘している。

 現在、警察は令状さえあれば任意の人物の携帯電話の位置情報を取得できるようになっているのだが、この際に携帯電話は位置情報が遠隔から取得されている旨をユーザーに通知するようになっている。しかし、この挙動は捜査の際に不便であるため、総務省の「個人情報・利用者情報等の取扱いに関するワーキンググループ(WG)」でユーザーへの通知を行わないよう変更する方針が決まったという。

 これを実現するためには携帯電話端末のソフトウェアを変更する必要があるのだが、これを利用者本人に気付かれないように行うと、刑法168条の2「不正指令電磁的記録に関する罪」を犯すことになるというのが高木氏の主張だ。実際、外部から位置情報を秘密裏に取得できるような追跡アプリを無断でインストールする行為について、不正指令電磁的記録供用罪に当たるという判断を裁判所が出しているという。

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