中国:北京で高齢化が急ピッチに進行、今後5年で100万人増

2015年5月28日 08:56

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記事提供元:フィスコ


*08:57JST 中国:北京で高齢化が急ピッチに進行、今後5年で100万人増
中国首都の北京市では今後、毎年20万人ずつ高齢者人口が増えていく見通しだ。2014年から2020年にかけて、60歳以上の高齢者は約100万人増加する。2020年までの10年間で、自力での日常生活が困難な高齢者の数は、少なくとも5万人以上増えるとみられる。法制晩報などが26日、「北京養老産業青書(2015)」の内容として伝えた。
北京の高齢常住人口は、足元で60歳以上が246万人、80歳以上が30万人に上る。その過半は、朝陽、海淀、豊台、西城の4区に暮らす。
介護が必要な高齢者は12万人。うち半数以上は朝陽、海淀、西城、豊台、東城の5区に住む。介護施設のベット数が過小なエリアは、東城、西城、豊台、朝陽、通州、順義、海淀、石景山。これらでは、高齢者100人当たりのベット数は、わずか4床未満となっている。
13年時点のデータによると、市内全体の介護施設は378カ所。うち六環路の外側が216カ所、五環路と六環路の間が85カ所。これらで介護施設全体の79.6%を占める。ベット数に関しても、五環路の外側が6万5420床と市内全体の83.4%を占めた。
これらの状況を踏まえた場合、五環路の外は介護施設が「飽和状態」にある。なかには、入居率が2割に満たない施設もみられた。新たな拠点を整備する場合、五環路の内側が適地といえる。
ただ、介護施設で働く従業員の待遇は低い。介護者の月給は月額2000-3500人民元に設定されていた。勤務時間も不規則かつ1日8時間以上と長い。1人に割り当てられる高齢者の数も6-10人と多い。また、若手不足も問題だ。年齢的にも、退職の近い40-50歳が多くを占めていた。主に女性が従事している。
当然ながら、中国全体でも人口の高齢化が進行してきた。高齢者(60歳以上)の総数は14年末時点で2億1200万人に達し、総人口の15.5%を占めた。さらに毎年1000万人のペースで増加しつつある。20年に2億6000万人、25年に3億人、34年に4億人、50年に4億8000万人まで膨らむ見通しだ。

【亜州IR】《ZN》

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