中国:3月の中国来訪者数は1118万人、伸びは5カ月連続で拡大

2015年5月8日 11:20

印刷

記事提供元:フィスコ


*11:20JST 中国:3月の中国来訪者数は1118万人、伸びは5カ月連続で拡大
今年3月の海外(香港・マカオ・台湾を含む)から中国への来訪者数は、前年同月比5.0%増の1118万人に拡大した。2月の4.2%を上回る伸び。前年同月比での増加は5カ月連続となる。うち宿泊客は、4.2%増の478万人。2月の3.8%減から2カ月ぶりに増加に転じた。また訪問者による旅行収入は、2.8%増の48億100万米ドルに達し、2月の12.9%減から回復している。国家旅遊局が発表した。
訪問者数のうち、香港、マカオ、台湾からはそろって増加した。香港は4.4%増の667万人で、伸びは2月の9.4%を下回ったが、8カ月連続の増加。マカオは13.3%増の190万人で、9カ月連続で前年比プラスだった(2月は21.1%増)。台湾は13.3%増の44万人。2月の19.6%減から再び増加に転じている。
一方、外国人は1.3%減の215万人と低迷。2カ月連続で減少した(2月は19.0%減)。2月の大幅マイナスは、春節連休中の混雑を避けたことによるものとみられる。しかし、1-2月の累計でも外国人観光客は、前年同期に比べて3.9%減った。国別では、韓国人が17.2%増の34万人に拡大する半面、日本人は10.7%減の20万人に低迷。円高を受けて3カ月連続の減少となっている。経済が悪化しているロシアからの訪問者は42.4%減の10万人と、6カ月連続で2ケタのマイナスに陥った。
1-3月の外国人訪問者は561万人。これを訪問目的別に分類すると、会議・ビジネス目的が8.5%減の111万人(19.9%)、観光目的が13.1%減の159万人(28.4%)に減ったものの、「その他」は増加。1-3月は4.4%増の200万人に拡大した。
中国旅行ホテル業協会が集計した「全国ホテル市場経営状況」によれば、国内ホテル業の3月の客室平均稼働率は、前年同月比2.23ポイント上昇の55.75%。3カ月連続で改善した。しかし、平均宿泊料は同15人民元安い366人民元(約7070円)と、3カ月連続で前年割れとなっている。これにより、1部屋当たり売り上げは同3人民元低い212人民元に落ち込んだ。
澳門博彩監察協調局(マカオ特別行政区ゲーミング監察協調局)によると、今年4月のマカオ域内のカジノ売上高(ロトなどを除く)は、前年同月比38.8%減の191億6700万パタカ(=香港ドル、約2970億円)に低迷した。前年比での減少は11カ月連続、2ケタの減少は昨年9月以降、8カ月連続となる。前月との比較では、10.8%減少した。1~4月の累計では37.1%の減少。839億4400万パタカに低迷している。
マカオのカジノ業界は昨年以降、厳しい経営環境に置かれている。中国の景気減速に加え、汚職取り締まりの強化を受けてハイローラーのマカオ離れが進んでいる状況だ。また、2014年10月から一般フロア(マス・フロア)が全面禁煙となったことなども、客入りに影響している。こうしたなか、2014年通年のカジノ収入は前年比2.6%減の3515億パタカに低迷。集計が始まった2002年以来で初の減少を強いられている。2013年の収入は3607億パタカに達し、過去最高を更新していた。

【亜州IR】《ZN》

関連記事