太陽光発電が普及しつつあるハワイで発生している電力問題

2015年4月22日 06:00

印刷

記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 ハワイは世界に先駆けて一般住宅への太陽光発電システムの導入が進んでおり、普及率は全家屋の12%にも上るという。しかし、これによる問題も明らかになっているという(The New York TimesGreentech MediaHuffingtonPostSlashdot)。

 特に問題となっているのが、太陽光発電システムを電力会社の電力網に接続した際の電力網への負荷だ。太陽光発電システム由来の電力では予期せぬ電圧変動があり、これによる負荷で電線が発熱・損傷し、停電を引き起こす可能性があるという。

 こういった背景から、ハワイ最大の電力会社HECOは2013年、住宅用太陽光発電システムを送電系統に接続するための申請を一時的に保留することにした。2014年11月に申請受付は再開されているものの、電力系統の周波数の変動や過電圧/不足電圧などの異常を検出して運転を停止する機能を持つパワーコンディショナー(インバーター)遠隔制御機能の搭載が義務付けられるようになっているとのこと。このシステムは日本でも同様に導入が義務付けられている(日経テクノロジー)。

 HECOの副社長Colton Ching氏によると、風力発電や石炭火力発電などは発電量を把握できるが、家庭用のソーラーパネルの発電量は電力会社の中央制御室からは把握できないのが問題だと説明する。また太陽光発電の売電価格を半分まで引き下げるための交渉も行われているそうだ(E&E Publishin)。

 スラッシュドットのコメントを読む | ハードウェアセクション | 電力

 関連ストーリー:
テスラ傘下のSolarCity、太陽光と蓄電池によるマイクログリッドサービスの提供開始 2015年03月27日
フランス、新築ビルの屋上を植物またはソーラーパネルで覆うことを義務付け 2015年03月25日
欧州、皆既日食で電力危機? 2015年03月19日
福島県南相馬市、再生可能エネルギーのみで電力を賄う「脱原発都市」を目指す 2015年03月04日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事