KDDI研究所、100倍以上大容量の光ファイバ伝送実験に成功

2015年3月27日 09:53

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空間多重数114の空間光多重伝送実験系(KDDI研究所の発表資料より)

空間多重数114の空間光多重伝送実験系(KDDI研究所の発表資料より)[写真拡大]

  • (a) 6モード19コアファイバの断面写真 (b) 入力デバイスの写真 (c) 6モード多重器後の伝搬モードの観測結果(KDDI研究所の発表資料より)

 KDDI研究所は26日、一般的な光ファイバより100倍以上大容量化できる新しい光ファイバを開発し、100を超える空間光多重伝送実験に世界で初めて成功したと発表した。

 空間光多重伝送方式 は、1本の光ファイバに光の通り道(異なるコアや異なる伝搬モードを利用)を複数設けることにより、光ファイバ1本あたりの伝送容量を飛躍的に拡大できる次世代光伝送方式である。これまで光の通り道の数(空間多重数)は最大でも数十個程度だったが、今回、光の通り道の間で生じる混信(クロストーク)を極力小さくすることで、世界で初めて空間多重数が100を超える伝送実験(空間多重数:114、伝送距離:9.8km)に成功したという。

 さらに、この実験では従来よりも約40%向上した世界最高性能の周波数利用効率345 bit/s/Hzを達成した。これは現在の一般的な商用システムの約170倍に相当するという。今後は、マルチコア・マルチモード光ファイバの性能向上と更なる信号処理負荷の軽減を図ることにより、さらなる伝送距離の延伸化を進め、実用化を目指す。

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