住友電工、独自システムでネガワット取引のDR実証成功

2015年3月24日 15:19

印刷

DR実証プログラムのシステム構成図(住友電気工業の発表資料より)

DR実証プログラムのシステム構成図(住友電気工業の発表資料より)[写真拡大]

  • sEMSA  DR 発令時の最適計画画面(2015年1月21日)(住友電気工業の発表資料より)

 住友電気工業は24日、経済産業省が支援するネガワット取引のための実証事業「次世代エネルギー・社会システム実証事業」において、同社のエネルギーマネジメントシステムである「sEMSA」を用いてデマンドレスポンス(DR)発令から15分以内に、約束したネガワット電力を送出することに成功したと発表した。

 この実証は同社横浜製作所設置の国内最大級のレドックスフロー(RF)電池3台(計5MWh)、ガス発電機(CGS)6台(計4MW)、集光型太陽電池(CPV)15台(計100kW)および、これらの発電機群を管理する独自のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA)を使用して実施された。

 sEMSAは電力需給調整会社(アグリゲータ)であるエナノックより発令されたDR信号に10秒以内に応答し、15分以内に約束した電力量(640kW×1時間)を全自動に送出することで、DR時間帯は系統からの受電を削減した。DR発令には、世界標準規格であるOpenADR2.0プロトコルを利用した。

 この実証プログラムは、電力会社とコンソーシアムを組むアグリゲータの1社であるエナノックと共同で実施した。エナノックは経済産業省が支援するピーク時供給や運転予備力のためのDR実証プログラムに取り組んでおり、住友電工はエナノックのカスタマーとして今回の実証に参加した。

 sEMSAは、住友電工が開発したエネルギーマネジメントシステムで、幅広い顧客ニーズと多様な電力設備に対応可能な柔軟性・拡張性に富んだアーキテクチャに準拠。また、DRにも瞬時に対応でき、再生可能エネルギーを含む発電機群をエネルギーコストを最適運用できる。さらに、契約電力などの各種シミュレーション機能も持っている。

関連記事