下宿生の食費、1日「816円」3年連続で増加

2015年3月22日 23:38

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記事提供元:エコノミックニュース

 仕送りは減っているが、アルバイトを頑張って生活のゆとりを補い、食費も少しは増加――。全国大学生活協同組合連合会が実施した「第50回学生生活実態調査」で、下宿生たちのこんな生活ぶりが明らかになった。

 調査は昨(2014)年10~11月にかけて、全国の国公立・私立大学の学生、1万8926人から協力を得た。分析には、経年変化を見るため、毎年指定している30の大学生協で回収した学部学生9223人の回答を使用した。

 下宿生の「収入合計」は12万2170円。前年から670円増加し、3年連続のプラスとなった。内訳は「仕送り」が最多の7万140円で、前年から2140円減少。一方で「アルバイト」は、2万5560円と、前年と比べて2460円増加。リーマンショック以降、最高額となった。

 収入に占める割合は「仕送り」が57.4%で、1975年以降最も低くなる一方、「アルバイト」は20.9%と、1975年以降最も高くなった。一人暮らしの学生が、仕送りの減少分をアルバイトで補う傾向が固定化したといえる。

 支出の合計は11万6960円で、前の年から970円減少した。全体として節約志向が続くが、「食費」は2万4480円(前年比プラス500円)と、3年連続の増加。1日の食費は、この3年で63円増え、「816円」となった。その他、下宿生の「書籍費」は1950円と、前年比プラス130円、「貯金・繰越」が1万2310円と、こちらも前年比プラス170円だった。

 減少が目立ったのは、「住居費」(5万2630円:前年比マイナス420円)。住居費は2年連続で減少し、最も高かった2001年からは3700円減った。その他、「教養娯楽費」(8600円:前年比-300円)、「電話代」(4030円:前年比-360円)なども減少した。

 現在の暮らし向きを尋ねたところ、「大変楽な方」「楽な方」という学生は51.1%(自宅生53.1%・下宿生50.2%)で、この3年間半数を超えている。今後の収入面の対策としては、「アルバイトを増やす」が45%で前年から3ポイント増加し、アルバイトの就労率は69.1%(自宅生75.1%・下宿生64.8%、男子64.5%・女子74.9%)。前年に続き増加傾向だ。景況感の回復や人手不足で、アルバイトの平均時給が上昇していることも、生活費を補いたい学生には朗報かもしれない。(編集担当:北条かや)

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