九大、時間と場所を指定して遺伝子の働きを抑制することに成功

2015年3月20日 18:29

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T.C.RNAi法の概略を示す図(九州大学の発表資料より)

T.C.RNAi法の概略を示す図(九州大学の発表資料より)[写真拡大]

 九州大学の広津崇亮助教・濱川昌之博士課程学生らによる研究グループは、指定した時期に狙った細胞だけで遺伝子の働きを抑える新しい手法を開発した。

 遺伝子の働きを知るためには、その働きを阻害した際に現れる影響を観察する必要があるため、狙った時期に、狙った細胞でだけで遺伝子の働きを制御することが求められる。

 今回の研究では、異なる性質を持つ2つのプロモーターを使って、片方は指定する時期、もう片方は指定する細胞でのみRNAが発現するようにして、両者が合わさったところでのみRNAiを引き起こす新しい手法「T.C.RNAi法」と名づけた。実際に2つの細胞にGFPを発現させて、フォトブリーチングで蛍光を一時的に消失せたところ、熱刺激を与えなかった場合は通常の細胞でのGFPの明るさは正常に回復したが、GFPの発現を抑えるT.C.RNAi法を施した細胞では熱刺激を与えるとGFPの明るさは回復しなかった。

 今後は、T.C.RNAi法が、幅広い遺伝子に対してその働きを時期・細胞特異的に抑える手段として活用できると期待されている。

 なお、この内容は「BMC Biology」に掲載された。

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