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東京医科歯科大、体の中で立体的な臓器が作られる仕組みを明らかに
東京医科歯科大学の仁科博史教授らによる研究グループは、脊椎動物が重力下で立体的な臓器と体を形成する機構の一端を明らかにした。
約100年前に英国の物理・数学者D’Arcy Thompsonが「地球上の生物の形は重力に大きな影響を受けている」と予言したが、生物がどのように重力に抵抗して体の形作りをするのかは解明されていなかった。
今回の研究では、臓器形成に異常を示すメダカ変異体の大規模スクリーニングを行ったところ、体全体が扁平になるメダカ変異体「hirame」では、組織が3次元の形状を失うだけでなく、組織の配置も異常になることが分かった。このhirame変異体を解析した結果、遺伝子発現を制御する転写共役因子YAPの変異が原因であることが判明し、YAPタンパク質が消失すると、細胞張力が低下し、重力に抵抗できなくなり、3次元構造をとる組織が崩壊することが明らかになった。
今後は、細胞張力制御の観点から、iPS細胞を用いて立体的な組織や臓器を作ることに寄与できると期待されている。
なお、この内容は3月17日に「Nature」オンライン版に掲載された。
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