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九大とヤクルト、日本人の子供の腸内は善玉菌が多く悪玉菌が少ないことを明らかに
九州大学の中山二郎准教授とヤクルト中央研究所の渡辺幸一博士らによる研究グループが実施した日本を含むアジア5カ国の子供を対象とした腸内細菌叢の調査によると、日本の子どもの腸内細菌叢は他国に比べてビフィズス菌が豊富で、大腸菌などの悪玉菌が少ないという特徴があったという。
ヒトの腸内には、数百種、百兆個に及ぶ細菌が棲息しており、それらが協調あるいは競合しながら生態系コミュニティー(細菌叢)を形成している。腸内細菌叢は人により異なることが知られており、その要因として、日々の食事や薬、健康状態、生活環境、そして遺伝的要因などが挙げられている。
今回の研究では、中国・日本・台湾・タイ・インドネシアの5カ国で7歳から11歳の子供を対象に、糞便の細菌組成と食習慣を調査した。その結果、アジアの子供は欧米に比べてビフィズス菌を多く保有していることや、アジアの子供は、ビフィズス菌とバクテロイデス属細菌を主体とする腸内細菌叢のタイプと、プレボテラ属細菌を主体とするタイプの2種類に分類できることが明らかになった。さらに、日本の子供は、他国に比べてビフィズス菌が多く、悪玉菌と言われる腸内細菌科の細菌は少ないことも分かった。
一方で、現在の日本の子どもはアレルギーが多く、感染症に罹りやすいとも言われているように、免疫系の観点からは必ずしも良好とはいえず、日本人特有の腸内細菌叢が及ぼす宿主の健康への影響についてはさらなる研究が必要という。
今後は、食と腸内細菌叢と健康についてさらに大規模な調査を展開し、何を食べるとどのような腸内細菌叢が形成され、それが宿主の健康にどのように影響するかを明らかにしていくことが期待されている。
なお、この内容は2月23日に「Scientific Reports」に掲載された。
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