早大など、光スペクトル計測技術を使って接触せずに指紋を検出する装置を開発

2015年2月18日 22:24

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グリーンレーザー励起時の蛍光スペクトル画像。肉眼では検知不能な(a)壁に潜在する掌紋画像、(b)切符磁気面に潜在する指紋画像(早稲田大学の発表資料より)

グリーンレーザー励起時の蛍光スペクトル画像。肉眼では検知不能な(a)壁に潜在する掌紋画像、(b)切符磁気面に潜在する指紋画像(早稲田大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 壁に潜在する重複した指紋と掌紋の分離に成功した例 グリーンレーザーが励起光源に用いられた。重複した指掌紋の(a)蛍光カラー画像と(b)蛍光スペクトル画像。分離に成功した(c)指紋画像と(d)掌紋画像。(e)典型的な指紋部(緑)と掌紋部(赤)の蛍光スペクトル(早稲田大学の発表資料より)
  • 早稲田大学などが開発した可視域対応のハイパー・フォレンシック・イメージャー(早稲田大学の発表資料より)

 早稲田大学の宗田孝之教授・JFEテクノリサーチ・科学警察研究所は、光スペクトル計測技術を応用することで接触せずに指掌紋を分離・検出することができる装置を共同開発した。

 指掌紋は「万人不同、終生不変」という性質を持っているため、DNA型鑑定精度が飛躍的に向上した現在でも被疑者特定のための有力な現場鑑識資料となっている。しかし、従来の指掌紋顕在化法はいずれも侵襲的である、裏面が磁気記録媒体となっている切符やフォトペーパーからの検出が難しい、重なった指掌紋は分離不可能といった欠点があった。

 今回の研究では、宇宙から地球を探査するために開発されたリモートセンシング技術の一つであるハイパースペクトル・イメージング技術を応用することで、指掌紋や体液等に含まれる脂肪やたんぱく質を、非破壊かつ非接触に漏れなく顕在化して同定検出することのできる装置を開発した。さらに、この装置はコンパクトで優れた可搬性を持つため、計測から潜在指掌紋画像提示まで極めて簡単に行うことができる。

 今後は、本研究で開発された装置を使用することで、犯罪の抑止、遺体の指紋解析、身元判明の短時間化などが実現できると期待されている。

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