三菱電機、海洋レーダーで津波を早期検知する監視支援技術を開発

2015年2月17日 22:50

印刷

三菱電機は、レーダーで観測した海表面の流速から津波成分を抽出して可視化するとともに、波高を推定する津波監視支援技術を開発した(写真:同社発表資料より)

三菱電機は、レーダーで観測した海表面の流速から津波成分を抽出して可視化するとともに、波高を推定する津波監視支援技術を開発した(写真:同社発表資料より)[写真拡大]

 三菱電機は17日、レーダーで観測した海表面の流速から津波成分を抽出して可視化するとともに、波高を推定する世界初の津波監視支援技術を開発したと発表した。この技術により、早期の津波検知と避難行動に必要な時間の確保を支援する。

 海表面の流速を観測するのに利用される海洋レーダーは、直進性の高い光学センサーや周波数の高いレーダーでは地球の曲率によって見通し外となる20km以遠も観測が可能であり、観測領域内の面的な流速情報を得ることができるという特徴がある。

 今回の技術ではこの海洋レーダーを使い、観測された海表面の流速から津波成分を抽出して見える化することで、監視員による津波検知時間の短縮を実現した。

 また、レーダー向けに拡張した津波の方程式(浅水長波理論)により、津波の波高をリアルタイムに推定することで、津波の規模把握を支援し、避難時間の確保に貢献できるという。

 平均水深300mの海洋の場合、沖合50kmの津波は時速約195kmとなり、約15分で沿岸に到達する。今回の技術を使えば約15分前に津波を検知することができ、避難行動のための時間を10分確保できるという。(記事:町田光・記事一覧を見る

関連記事