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東大、金属と絶縁体の狭間における電子の振る舞いを観察することに成功
モット転移の量子臨界現象をあらわす概念図(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の古川哲也博士らによる研究グループは、モット転移の量子臨界現象を実験で初めて明らかにした。
物質の中の電子はお互いの反発力が強いと自由に動けなくなり絶縁状態となるが、反発力が弱いと自由に動けるため電気を流すようになる。この状態変化を「モット転移」と呼んでおり、絶縁体と金属の狭間で電子が量子力学的なゆらぎを持っていると考えられている。しかし、こでまでに実験による検証はされていなかった。
今回の研究では、3種類の異なる分子性結晶の電気抵抗を測定し、核物質の電気抵抗が量子臨界現象に特有のスケーリング則を高い精度で満たしていることを明らかにした。また、得られた結果を動的平均場理論と呼ばれる量子臨界現象を特徴付ける値が実験と理論で近い値を取ることも分かった。
今後は、今回の研究成果が、新しい電子状態や物性機能の研究に繋がると期待されている。
なお、この内容は2月10日に「Nature Physics」オンライン版に掲載された。
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