京大、葉っぱはなぜ薄いのに壊れないのか?を明らかに

2015年2月14日 12:12

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葉(左)と飛行機翼(右)の断面構造(右はAdem Rudin氏提供)(京都大学の発表資料より)

葉(左)と飛行機翼(右)の断面構造(右はAdem Rudin氏提供)(京都大学の発表資料より)[写真拡大]

 京都大学の小野田雄介助教らによる研究グループは、陸上植物の葉がなぜ薄くても壊れずに長期間その構造を維持できるのかについて、そのメカニズムを明らかにした。

 植物の葉は、効率的に光を吸収するために薄い構造になっているが、多少の風雨にさらされても壊れない丈夫さも兼ね備えている。葉は表皮組織と葉肉組織のサンドイッチ構造になっているが、これまで両組織を分離して硬さを測定することはできなかった。

 今回の研究では、表皮組織と葉肉組織を分離せず、葉の曲げ試験と引っ張り試験を組み合わせることで硬さを測定した。その結果、表皮組織は葉肉組織と比べて圧倒的に硬く、葉は非常に効率的なサンドイッチ構造をしていることが分かった。さらに、表皮の硬さには最外面にあるクチクラが特に重要な役割を担っていることも分かった。

 小野田氏は、「今回の研究により、植物の葉はサンドイッチ構造という飛行機の翼にも使われる仕組みを使って、薄くても丈夫という相反する条件を巧みに満たしていることが分かりました。本発見が、植物科学の発展だけでなく、薄くかつ耐久性の⾼い構造設計に応⽤されることが期待されます」とコメントしている。

 なお、この内容は2月12日に「Journal of Experimental Botany」に掲載された。

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