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名大、置換ベンゼンを意のままに作る新しい合成法を開発
名古屋大学の伊丹健一郎教授らによる研究グループは、置換ベンゼンを意のままに作る新しい合成法を開発した。
ベンゼンは分子式C6H6の六角形をした有機分子であり、結合している6つの水素原子を様々な置換基に置き換えることで、性質が大きく変わる。しかし、10種類の置換基の組み合わせは8万以上にもなり、多置換ベンゼンを意のままに作り分けることはできなかった。
今回の研究では、既に同研究グループが開発している合成法でテトラアリールチオフェンを作り、これを酸化させた後にジアリールアセチレンを作用させ加熱することで、[4+2]型の付加環化反応が進行するとともにチオフェン環の硫黄原子が一酸化硫黄として脱離して、ベンゼンの6つの水素原子を全て芳香族置換基(アリール基)で置換したヘキサアリールベンゼン(HAB)が合成されることを明らかにした。
本研究成果である6置換ベンゼンのプログラム合成は汎用性が高いため、今後は、化学者がこれまで手にすることができなかった様々な多置換有機分子の合成が同様の戦略によって可能になると期待されている。
なお、この内容は1月27日に「Nature Chemistry」オンライン版に掲載された。
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