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京大、機械学習によってカンニングを自動的に検出する技術を開発
30人クラスの場合に想定される435ペアのうち、1割程度がカンニングをしているケース。青の線が推定結果と答案データとの整合性を表している。この整合性が減少に転じるまで被験者を信じる。減少に転じたとき、残りの被験者間で実際にカンニングをしていた(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の大関真之助教・山中祥五工学部4回生らによる研究グループは、教員が経験的にカンニングの存在を検出するメカニズムを機械学習に取り込むことで、答案の正誤内容から自動的にカンニングの検出をする技術を開発することに成功した。
教員は、長年実施してきた科目であれば、その経験から答案の採点をしながらカンニングの存在に気付くことも少なくない。教育機関には大量の試験データあるため、機械学習の手法を使うことで、教員がカンニングを検出するメカニズムを自動化できると考えられる。
今回の研究では、シミュレーションにより用意された答案データをコンピュータに入力し、「被験者の能力とカンニングの有無から推察される答案の傾向」と「実際の答案データ」の整合性が大きくなるように推定を行った。その結果、絞り込みをしながら整合性を示す値の変化を見ることで、カンニングしている受験者を精度よく推定できることが分かった。
研究メンバーは、「この研究は情報学科の演習授業を発展させたものです。問題設定を工夫すると、学部生レベルの知識でも価値のある研究ができるということを実感しました。この研究を通して、学内での研究発表から学会発表や論文作成まで、研究活動の一連の流れを一通り体験することができました」とコメントしている。
なお、この内容は「Journal of Physical Society of Japan」オンライン版に掲載された。
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