理研、フェムト秒レーザーを用いてナノスケールの三次元構造を加工する技術を開発

2015年1月20日 17:07

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ボトルシップ型フェムト秒レーザー三次元加工によるバイオチップの作製手順を示す図(理化学研究所の発表資料より)

ボトルシップ型フェムト秒レーザー三次元加工によるバイオチップの作製手順を示す図(理化学研究所の発表資料より)[写真拡大]

 理化学研究所の杉岡幸次ユニットリーダーらによる研究グループは、フェムト秒レーザーを用いて、ガラスマイクロ流体構造内部に精密な三次元構造を有する機能素子を形成する技術を開発した。

 フェムト秒レーザーは、複数の光子を短時間に照射することができるため、低エネルギーの光子でも同時吸収させることができ、ガラスなどを加工できる。しかし、これまでは、ガラス内部にいくつかの機能素子を形成することはできても、マイクロ/ナノスケールの複雑な三次元構造を有する機能素子を形成することは困難であった。

 今回の研究では、作製済みのガラスマイクロ流体構造の中にネガ型レジストと呼ばれるポリマーを流し込み、レーザー光照射領域のポリマー同士だけを連結させることで三次元ポリマーマイクロ/ナノ構造体を形成する技術を開発した。実際に、マイクロレンズとセンターパスユニットが複合した素子を、Y字型マイクロ流体素子内のチャネルの幅いっぱいに7個配列し、同時に7つの生細胞を検出することに成功した。

 今後は、3次元多層バイオチップなどの高機能化が期待されている。

 なお、この内容は「Light: Science & Applications」に掲載された。

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