岡山大、岡山県と香川県で新種のかたつむりを発見

2015年1月19日 16:05

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シメクチマイマイ(左3列)とアキラマイマイ(右3列)の殻(岡山大学の発表資料より)

シメクチマイマイ(左3列)とアキラマイマイ(右3列)の殻(岡山大学の発表資料より)[写真拡大]

 岡山大学の福田宏准教授らによる研究グループは、かたつむり)の新種を発見し、アキラマイマイと命名した。

 シメクチマイマイと呼ばれるかたつむりは、西日本に広く分布しているものの、多くの地理的変異が存在するため分類の混乱が指摘されていた。

 今回の研究では、“本物の”シメクチマイマイを再定義するために岡山県周辺の個体を詳細に検討したところ、2つの異なる種(生殖器の解剖およびDNAの塩基配列で識別が可能)の混在が判明し、シメクチマイマイではない方の種をアキラマイマイと命名した。種名の由来は、シメクチマイマイに複数種が混在していることを早くから独自に突き止めていたアマチュア研究家の多田昭氏にちなむものという。

 シメクチマイマイとアキラマイマイはともに殻径13~22mm程度で、殻の形・色彩・大きさなどの外部形態で全く識別できない。そのため、アキラマイマイは市街地周辺で見られるにも関わらず、これまでずっと見過ごされてきた。別種であるのに殻などの外部形態で全く識別できない例は、日本の陸産貝類ではこれまでに1例しか知られていないという。

 今後は、シメクチマイマイとアキラマイマイの2種間でどのような分布関係があるかを明らかにしたり、保全措置を取ったりする必要があると考えられている。

 なお、この内容は1月15日に「Venus」に掲載された。

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