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九大など、鉄原子42個でカゴ状の磁性分子を合成 巨大分子磁石の世界記録
a) Fe42 核ナノクラスター分子の結晶写真。立方体構造をとる。b) SPring-8 の単結晶構造解析ビームライン(BL02B1)で明らかとなったFe42核ナノクラスター分子の分子構造図(Feを2価:緑色、3価:橙色の丸で示す)(東北大学の発表資料より)[写真拡大]
九州大学の佐藤治教授らによる研究グループは、鉄原子42個からなる、強磁性相互作用が働くナノクラスター分子を合成することに成功した。
近年の材料科学では、原子や分子をナノスケールで操作して新しい人工分子を合成するテクノロジーが注目されており、その中でも一つの分子で巨大な磁石を実現する分子磁性体の開発が世界的な目標となっている。
今回の研究では、分子の構造や鉄イオン間の磁気的相互作用を精密に設計し、様々な合成条件を検討することで、巨大な磁石となる鉄42核ナノクラスターを創成することに成功した。このナノクラスター分子は、磁性を持つ18個の鉄原子と非磁性の24個の鉄原子からできており、磁石の大きさが90ボーアと世界最高値を示すことが分かった。
今後は、本研究で作られたナノクラスター分子が、磁場を用いて体内に錠剤を運ぶドラッグデリバリーシステムに応用できると期待されている。
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