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日銀の資金供給量、目標だった275兆円を上回る
日本銀行が6日に発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量、月末残高)によれば、2014年12月のマネタリーベースは275兆8740億円であり、11月末の262兆6865億円を上回り5ヶ月連続で過去最高を更新したことがわかった[写真拡大]
日本銀行が6日に発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量、月末残高)によれば、2014年12月のマネタリーベースは275兆8740億円であり、11月末の262兆6865億円を上回り5ヶ月連続で過去最高を更新したことがわかった。日本銀行は10月31日に追加金融緩和を実施し、14年末のマネタリーベースを275兆円にするとの目標を掲げていたが、これを達成することとなった。今後は期間で区切った目標は設定せず、「年間約80兆円に相当するペース」でマネタリーベースを増加させていく方針だ。
12月のマネタリーベースの平均残高も前年比38.2%アップの267兆4016億円であり、こちらも過去最高となった。そしてマネタリーベースの構成要因ごとの月中平均残高は、金融機関の手元資金を示す当座預金が前年比69.5%アップの172兆6512億円であり、紙幣は前年比3.6%アップの90兆1074億円、貨幣は前年比0.7%アップの4兆6430億円であり、それぞれ過去最高を更新した。
マネタリーベースとは市中に出回るお金(紙幣、硬貨)と、金融機関が日本銀行に預ける当座預金の合計であり、12月は国庫短期証券(TB)の買い入れは前月より減らしたものの、国債の大量買い入れや貸出増加支援オペの実施などによりマネタリーベースが増加した。前月11月末のマネタリーベースは262兆6865億円であり、また前月比の増加率は5.0%であり、11月の1.2%アップよりも上昇した。
日本銀行は13年4月に導入した「量的・質的金融緩和」により、金融機関から大量の国債などを買い入れることによって世の中に出回るお金の量を増やしている。そして日本銀行は去年の10月末の金融政策決定会合で追加金融緩和を実施し、マネタリーベースの年間増加額をそれまでの60~70兆円から約80兆円に拡大。そして14年末の残高は275兆円を見込んでいたが、結果はこれを上回り275兆8740億円にまでマネタリーベースを増加させることとなった。今後は、年間約80兆円ペースでマネタリーベースを増加させていくとしている。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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