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Google Glassが台風の目となった14年のウェアラブル端末市場
ウェアラブル端末市場は、MM総研によると我が国では2013年度には40万台、2020年度には600万台を超えるまでに成長し、米国においては1,500万台を超える規模になると予測している。市場自体も拡大傾向にあるが、2014年は米国Googleの「Google Glass」で一気に盛り上がった感がある。
総務省の「平成26年版 情報通信白書のポイント」によると、ウェアラブル端末は、リストバンド型、腕時計型(スマートウォッチ)、メガネ型、その他のウェアラブル端末の4種類に分類されるという。
リストバンド型は腕に装着する形状のウェアラブル端末である。軽量であるという特徴から心拍などのライフログの取得機能や加速度センサーを組み込んだスポーツやヘルスケア分野での利用を意識した製品が多い。腕時計型は腕に装着する形状のウェアラブル端末だ。大きな特徴は一定の大きさを持った表示画面を搭載することで、リストバンド型に比べ様々な操作や情報の表示を可能としている。また、スマートフォン端末等と連携し、電話やメール、SNS等の確認や操作が行えるものもある。
そして、「Google Glass」が分類されるメガネ型はメガネ状の形をした頭に装着するウェアラブル端末だ。両目もしくは片目の視野部分が透過型のディスプレイになっている機種が一般的であり、映像や画像が空中に浮いているように見えるのが特徴だ。
Google GlassはGoogleが開発した片眼式のメガネ型ウェアラブル端末である。米国では2012年に発表され、2013年5月から1500ドルで、米国内の開発者等限定で試行品が開発用キットとセットで発売されている。アルミ製の細身のフレームの片側にディスプレイ、カメラ等が装着されており、約2.4mm先に25型相当の画面が表示される。装着時には視野の右上部に天気予報、道案内、翻訳を表示させたり、検索することができるほか、カレンダーや検索履歴等に基づく情報配信アプリGoogle Nowによる行動支援の情報を表示させることもできるのだ。つまり、メガネ型のスマートフォンともとらえることができる。
日本では今年、このGoogle Glassが台風の目となったと言える。14年には一般発売されるといいながら、現時点(2014年12月26日)では発売されていない(輸入は可能。ただし、マニュアルなどすべて英語)。しかし、14年の日本のウェアラブル端末は終始Google Glassへの期待感が、市場を引き上げ、注目を集めることにもなった。
日本では、Google Glassを意識した製品が年初より発売されている。まず、セイコーエプソンの「MOVERIO BT-200」。これは、装着すると320型の大画面が浮かぶというどちらかというとAV向けの製品である。また、東芝も法人向けメガネ型ウェアラブル端末「Toshiba Glass」の2015年発売を発表した。ソニーも眼鏡型ウェアラブルモジュールの15年発売を発表している。これらは、本家Google Glassへの期待とともに市場を盛り上げた。
今後もウェアラブル端末市場は、メガネ型が中心となって市場を盛り上げていくと思われる。ただ、バッテリや軽量化の課題もある。さらには、メガネ型は社会的ルールやプライバシー面での対策の検討が求められており、社会的合意を図っていくことが必要だとされている。
このような課題はあるが、ウェアラブル端末は、電源さえ確保できれば24時間端末を装着することが可能になる。装着すれば、腕時計型やメガネ型はいつでもどこにいてもインターネット接続が可能となる。さらに、リストバンド型はいつでも血圧や心拍数が計測できるなど医療面でメリットがある。今後も市場は拡大すると予測される。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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