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東北大、福島第一原発事故後の日本木造家屋における放射線低減係数を明らかに
低減係数の概念図(東北大学の発表資料より)[写真拡大]
東北大学の吉田浩子講師らによる研究グループは、福島県飯舘村や南相馬市小高区などの避難指示区域で、日本木造家屋の低減係数(住家内/住家外空間線量率比)についての実態調査を行った。
福島第一原子力発電所事故後の住民の被ばく線量を評価する際には、低減係数(住家内/住家外空間線量率比)を使用する。これまでは、国際原子力機関が示す1階および2階建ての木造の家における低減係数0.4が用いられてきたが、これらが日本の木造家屋に適切な値であるかどうかの検証はされていなかった。
今回の研究では、69軒の住宅で得られた522個の結果から低減係数の頻度分布を取得し、中央値、四分位範囲が0.43(0.34–0.53) であることを明らかにした。この中央値は国際原子力機関が示す数値とほぼ同じであるが、低減係数の頻度分布は係数が大きい方に広がっていることが分かった。国際原子力機関が示す代表的範囲0.2-0.5では全体の66.5%しかカバーしないことから、研究グループは代表的範囲を0.2-0.7(87.7%)、少なくとも0.2-0.6(80.7%)とすべきであると提案している。
今後は、本研究成果が事故後の住民の正確な被ばく線量評価に貢献すると期待されている。
なお、この内容は「Scientific Reports」にオンライン掲載された。
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