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11月の百貨店売上高、1.0%減 大阪は5カ月連続でプラス
日本百貨店協会が公表した11月の全国百貨店売上高は、5581億円あまりで、8ヶ月連続で前年を下回った。マイナス幅は前年同月比1.0%と、先月の2.2%から改善したものの、低迷が続いている。大都市圏は訪日外国人観光客の増加で3ヶ月ぶりにプラスとなったが、地方百貨店の落ち込みが響く。
11月は前年と比べて休日が2日多かったが、気温が高くコートなどの売れ行きが良くなかったことや、地方百貨店の売上が前年同月比マイナス3.3%と不振だったことから、全体ではマイナスとなった。都市部の中では、東京が前年同月比プラス0.1%と、2ヶ月ぶりにプラスに転じた。一方、大阪は同0.3%のプラスで、5ヶ月連続で前年同月比を上回っている。「百貨店激戦区」の大阪では、各店の改装・増床効果が続いている。訪日外国人の影響が大きい東京よりも、売れ行きが好調なのは、各店が競争力を強化しており、消費をうながす相乗効果が生じているためかもしれない。
品目別では、化粧品がプラス6.3%と好調だった。化粧品と日用品は、10月から免税品の対象となった影響もあり、外国人観光客にもよく売れている。高級ブランドバッグなど「身のまわり品」もプラス2.4%、消費増税後、落ち込みが続いていた「美術・宝飾・貴金属」も-0.1%と、回復の傾向が見られる。株高などで富裕層の消費意欲は戻りつつあり、高級品の売れ行きは堅調だ。しかし、売上高の3割を占める主力の衣料品はマイナス3.3%と、10月(-2.8%)から悪化した。中でも婦人服は冬物衣料の動きが鈍く、マイナス4.3%にとどまった。紳士服(同0.5%)や子供服(同0.2%)も下回り、不振だった。
大都市の百貨店は、消費意欲が旺盛な訪日外国人に支えられている部分もある。円安に加え、今夏、東南アジア各国に対して行われた観光ビザ発給要件の緩和もプラスとなり、訪日外国人による売上高は92億円(前年同月比156%)、購買客数も179%と大幅に増加し、22ヶ月連続のプラスとなった。東京地区の百貨店では、12月15日までの売上高は前年比マイナス2%とふるわない。通年でも、売上高は前年を下回る可能性が高いだろう。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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