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【黒澤善行の永田町ウォッチ】経済対策の策定、補正予算案の編成に着手
【12月18日、さくらフィナンシャルニュース=東京】
来週24日には、特別国会(~26日)が召集される。第2次改造内閣の総辞職、衆議院本会議での正副議長選出後、衆参両院本会議で首班指名選挙が行われ、安倍総理が第97代総理大臣に指名される予定だ。同日中に第3次安倍内閣が発足する見通しだ。
安倍総理は、第2次改造内閣発足から約3カ月しかたっていないことや、政策の継続性を重視する観点から、全閣僚を再任させるようだ。また、個人消費の底上げと地方の負担軽減などを柱とする緊急経済対策の策定と、それを裏付ける補正予算案の編成、衆院選で大幅にずれ込んだ来年度予算の編成などの作業を遅滞なく進めていくためにも、内閣改造・党役員人事で政治空白をつくるべきではないと判断したようだ。
当面、1年半延期した消費税率10%への引き上げにも耐えられる経済の好循環をいかにつくっていくことができるかが、安倍内閣の最重要課題となっている。安倍総理は、約2年間の政権運営とアベノミクス継続が衆院選で信任されたとの認識で、引き続き経済最優先の政権運営を行い、デフレ脱却とアベノミクス推進に全力を尽くす姿勢を打ち出している。そして、「景気回復の暖かい風を全国津々浦々に届ける」としている。
ただ、景気回復の足取りが芳しくない状況だ。このことから、今月26日にも緊急経済対策、来年1月9日にも補正予算案を閣議決定する方向で、一連の作業が進められている。
緊急経済対策は、当初、低所得者向けの現金給付やガソリン・灯油購入費の助成、子育て世代の家計支援、急速な円安に伴う燃料・原材料高に苦しむ中小企業の資金繰り支援、エコポイントの復活も含めた住宅購入促進策、学校や橋の耐震化・災害対策などを柱に、約2兆円規模とする方針だった。
アベノミクスの恩恵が地方に行き届いていないとの声に配慮して、安倍総理が重要課題に位置付ける「地方創生」分野を充実させるべく、3兆円規模に上積みすることが検討されている。地方創生分野の施策として、自治体が自由に使える交付金創設と地方自治体が配る地域商品券の財源手当てなどが盛り込まれるようだ。【了】
黒澤善行(くろさわよしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)、『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載
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※この記事はSakura Financial Newsより提供を受けて配信しています。
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