幸楽苑 290円ラーメン販売中止!?

2014年12月14日 19:24

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記事提供元:エコノミックニュース

 幸楽苑<7554>が2015年4月に同社の看板ともいえる290円ラーメン『中華そば』を一部販売中止にすると発表した。その後は500円台のラーメンを主力としていくとの意向を示し幸楽苑ファンのみにとどまらず大きく波紋が広がっている。

 いままでハイデイ日高<7611>による日高屋などライバル店を大きく下回る290円という創業以来変わらない破格の値段と味で売りだしていた『中華そば』であったが、販売中止になる。もともと、中華そばはその値段故に一杯売ることで出る利益は大きなものではなかったが、さらに消費増税が加わり、材料費・人件費などのコスト高騰によって売れば売っただけ利益率が下がるなどの懸念があるなど、以前から販売中止の兆候はあったものとおもわれる。

 しかし、呼び込み効果ともなる看板メニューをおろし全商品高価格帯に打ち出した幸楽苑への客足は鈍ってしまうのではないだろうか。居酒屋の帰りの締めに一杯というお客や、中華そばに餃子とビールといったチョイ飲みセットなどで結果として750円前後の売り上げになるお客など、中華そばありきで来店していた人にとって今回の販売中止のニュースは少なからずショッキングなことであろう。

 このような大胆な変革が求められている背景には「今の外食業界は低価格路線が失敗している」と新井田傅社長が発言しているとおり、今、日本全体が安さだけではないニーズを感じているからではないだろうか。松屋<9887>もプレミアム牛めしなどの高級路線へと転換し外食産業にデフレ脱却の動きが垣間見えている。それ故に昨今腐肉問題が騒がれ、信用の回復を図っているマクドナルド<2702>による安さを極端に前面に押し出す作戦も空振りに終わり、未だ業績の低迷が続いている。

 幸楽苑も今がチャンスとばかりに新メニューを携えて高価格路線に打ち出した。懐かしの味が失われるのは寂しいところではあるが、思い切った経営転換の今後に期待していきたいと思う。(編集担当:久保田雄城)

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