嫌悪感は嘘を生み、清潔さはそれを正す?

2014年12月10日 10:46

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 不快さや嫌悪感は嘘や欺まん行為を増やし、清潔さは倫理的行動を促す作用があるとの研究が発表された(ScienceDaily)。

 嫌悪感は感情としては自己防衛として設計されているとのこと。人は嫌悪感を感じると自分を守るためその環境を離れようとする本能があるという。この「自分」をまず第一に考える状況は他人のことをさほど考えなくなる状況でもあるという。これに引き換え清潔さはこの嫌悪感の作用を和らげる効果があることも分かった。

 研究では600人の被験者を対象に様々な手法で嫌悪感を呼びおこす実験を行ったとのこと。1つのグループには被験者らに下痢止め薬やおむつ、生理用品、また猫砂や失禁用のパッドなどを評価させた。またもう1つのグループには人生で最も嫌悪感を覚えたことについての作文を書かせた。またもう3つ目のグループは映画「トレインスポッティング」から不快なトイレのシーンを見せられた。嫌悪感を覚えた状態で被験者らが金銭的報酬と引き換えに嘘をついたり欺まん行為に従事する傾向を判断したところ、嫌悪感を感じている被験者はこういった自己本位的な行動に従事する傾向が著しく高かったとのこと。

 また、嫌悪感を覚えさせた後に石鹸や家庭用洗剤といった洗浄剤の評価を行わせるという別の実験も行ったところ、この被験者グループは欺まん行為に従事する傾向が感情的に中立な被験者グループと変わらなかったとのこと。

 研究者ら曰く、より清潔な環境においては人々が嫌悪感を抱くことは少なく、自己本位的行動に偏らないと考えられるとのこと。例えば職場などにおいては清潔な環境の方が自己本位的行動は減り人々が協力する可能性が高いと考えられるそうだ。また、新聞やラジオといった周囲の情報から嫌悪感が呼び起こされ人々に大きな影響を与えている可能性があることも示唆しているとのことだ。

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