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国内初の臨床研究でチョコレートの健康効果明らかに
愛知県蒲郡市と愛知学院大学、明治は、チョコレートの実証研究を実施し、中間報告を行った。研究によって、チョコレートが血圧を下げ、善玉コレステロール値を上げることが分かった。[写真拡大]
愛知県の蒲郡市は11月24日、市民講座「チョコレートの機能性と健康生活」を開催し、地元、愛知学院大学と製菓メーカー大手の明治<2269>と共同で行った実証研究の中間報告を行った。健康効果に期待が高いと知られているチョコレートだが、産官学共同で臨床的に研究するのは国内では例がなかった。研究で得られた結果に基づき、愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授は、チョコレートに動脈硬化を予防する力があることが分かったと述べた。
臨床試験では明治の「チョコレート効果 CACAO72%」を使用。蒲郡市民ら347人が一日25グラムずつ、4週間にわたって摂取し続けた。チョコレート摂取前と摂取後の血液成分の変化や血圧を調査したところ、試験前は全体平均の血圧が最高125ミリメートルHg、最低78.8ミリメートルHgだったが、4週間後には最高122.7ミリメートルHg、最低76.9ミリメートルHgにまで下がった。特に高血圧の人ほど血圧が大きく低下するという結果が得られた。
また、善玉コレステロール値にも影響を与え、臨床試験前には67.9ミリグラムパーデシリットルだったのが、69.7ミリグラムパーデシリットルまで上昇した。善玉コレステロールは、血管内壁に溜まって動脈硬化を引き起してしまう余分な悪玉コレステロールを運搬する働きを持っている。善玉・悪玉とも体にとっては必要な物質であるが、ふたつのバランスが崩れると病気の原因ともなってしまうので注意が必要だ。
大澤教授の話によると、チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールの働きが血管機能に作用しているようだ。チョコレートに含まれるポリフェノールは、実は赤ワインよりも含有量が多い。別の研究ではカカオ・ポリフェノールが、がん細胞変異の原因物質の働きを抑制することも確かめられている。チョコレートの効果は心理的ストレス改善にも役立ち、明るく活動的な気分へと導いてくれる。健康効果を期待するにはポリフェノールの多い銘柄を選び、1日25グラム程度を目安に食べるのが良いとのこと。適切な量を守れば、デスクワークのお伴には最適かもしれない。(編集担当:久保田雄城)
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