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NIBB、男性ホルモンを作用物質を検出するバイオモニタリングメダカを開発
基礎生物学研究所の研究グループは、環境水中の男性ホルモンおよび抗男性ホルモン作用を示す物質を検出するバイオモニタリングメダカの作出に成功した(写真:基礎生物学研究所の発表資料より)[写真拡大]
基礎生物学研究所(NIBB)の荻野由紀子助教・井口泰泉教授らによる研究グループは、環境水中の男性ホルモンおよび抗男性ホルモン作用を示す物質を検出するバイオモニタリングメダカの作出に成功した。
遺伝的にはオスであっても、抗男性ホルモン作用を示す化学物質に晒されるとメスとしての表現型を示すようになってしまうことや、遺伝的なメスでも過剰な男性ホルモンに晒されるとオスの表現型を示すようになることが知られている。これまでは、トゲウオ成魚のメスやメダカのメスを使ってこれらの物質が水中に含まれているかどうかを調べていたが、測定には3~4週間必要であった。
今回の研究では、“トゲウオのスピギン遺伝子を調節するDNA領域”と、“クラゲの緑色蛍光タンパク質GFPの遺伝子”を繋ぎ、メダカに遺伝子導入することで、男性ホルモンの存在に応答して腎臓が緑色の蛍光を発するバイオモニタリングメダカを作り出すことに成功した。実際にこのメダカを男性ホルモンに晒したところ、5日以内に蛍光を検知できること、そして抗男性ホルモン作用を示す農薬に晒すと蛍光強度が拮抗的に減少することが分かった。
今後は、今回開発したバイオモニタリングメダカを用いた試験法により、ふ化直後の稚魚を用いて、少量の試験水の暴露で迅速かつ簡便に評価することが可能となると期待されている。
なお、この内容は「Environmental Science & Technology」に掲載された。
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