カイオム・バイオサイエンス、エボラウイルスの抗体作製成功

2014年12月2日 13:29

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 カイオム・バイオサイエンスは2日、西アフリカの一部の地域において感染者の急激な増大により深刻化しているエボラウイルス病(エボラ出血熱)の原因ウイルス抗原に対する抗体作製プロジェクトで、抗体の作製に成功したと発表した。

 この抗体作製プロジェクトでは、完全ヒトADLibシステムをもとにしたオリジナルADLibシステムを用い、エボラウイルスの特定抗原(感染リスク対応のため抗原を不活化したもの)に対し反応性を示す抗体を作製した。

 完全ヒトADLibシステムは、DT40細胞のもつニワトリ抗体の遺伝子の主要部分をヒト抗体の遺伝子に置き換えることで、最初からヒトの抗体を作り出すことが可能なADLibシステムである。オリジナルADLibシステムは、ニワトリ細胞をもとにして作製された細胞株である DT40細胞のもつ抗体遺伝子の組換えを活性化することで、抗体タンパクの多様性を増大させる。そして特定の抗原を固定した磁気ビーズで特異的抗体を産生する細胞をつり上げる仕組みだ。

 既存の方法に比べ、迅速性に優れていることや従来困難であった抗体取得が可能であるという。理化学研究所で開発された技術で、同社はその独占的な実施権を保有している。

 今後は、今回のオリジナルADLibシステムから得られる抗体作製の知見を完全ヒトADLibシステムに取り込み付加価値をさらに向上させていく。具体的なターゲットやデータなどに関しては、特許戦略上の観点から開示を控えるとしている。

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