生活保護の受給資格 境界線はどこで引くのか

2014年11月30日 15:50

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記事提供元:エコノミックニュース

 今年8月に生活保護を受けていた世帯は160万9830世帯で、前月より増加し、過去最多を4カ月連続で更新した。芸能人の不正受給問題が国民的関心を受けて以来、生活保護費不正受給の容疑で過激派の関係者の男性が逮捕されるなど不正受給での取り締まりのニュースも多く見かけるようになった。受給額の減額に反対する訴訟などのニュースも同様だ。

 今度は外国人に対する生活保護の受給資格が注目を浴びている。今年7月外国人が生活保護の対象か否かが争点となった訴訟。最高裁第二小法廷で外国人は生活保護法の対象ではないこと、受給権もないとする判断を示した。

 生活保護は憲法の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」との規定を踏まえた制度である。条文を読むと外国人に支給することは想定外となっている。1950年に国民でなければ受給できない仕組みに変更された。しかし、54年に厚生省が社会局長名で「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という通知を出した。この通知によって、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては生活保護が受けられることになった。それが現在まで続いている。

 事業費ベースで2012年の総額は3兆6284億円。外国人世帯は05年から11年の6年間で1.5倍に増加。韓国・北朝鮮が3万弱、フィリピンが5000弱という世帯数の順である。戦前は韓国・北朝鮮の方々は日本国民であった。批判する動きもネット上で激しくなっているが、忘れてはいけないのは戦後の1946年の旧生活保護法では全ての在住者が対象となるという「内外無差別」の原則を採っていた。つまり、住んでいれば生活保護を受けられたということだ。

 まさに、財政的余裕がなくなると、色々と社会は、ぎすぎすしだすという例である。不満のはけ口が弱者に向かう悲しい例である。この判決を受けて、自治体も対応に苦慮している。アベノミクスで景気が良くなったとは言われているが、社会的弱者の生活環境は厳しい。社会福祉としてのセーフティーネットが正しく機能していないとも言われる。今後も「健康で文化的な最低限度の生活」を求めて多くの議論が起きるだろう。しかし。外国人の方は自国で生活保護を受けてもらうべきという原則の徹底は求められるだろう。財政的にも世論的にも。(編集担当:久保田雄城)

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