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京大、後悔が高校生の自律的動機づけに影響を与えることを明らかに
動機づけの自律性と後悔感情の時間的な関係性を示す図(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の楠見孝教授・後藤崇志博士課程学生は、高校生を対象にした調査を行い、いつどのようなことに対して生じた後悔かによって、異なる動機づけがされることを明らかにした。
心理学における「動機づけ」とは、一般にやる気と言われているもので、自ら選んでやっている「自律的動機づけ」とやらされているからやっているという「統制的動機づけ」がある。はじめは統制的動機づけに支えられていた活動も、その価値を認めるようになることで自律的動機づけに変わる(=内在化)が起きるが、その詳細は明らかになっていなかった。
今回の研究では、県立高校の1年生320名を対象に、質問紙を用いた縦断的な調査を行った。その結果、試験直後に「もっと試験勉強をしておけばよかった」と強く後悔しているほど後の試験の際に自律的な動機づけがされていることや、「もっと自分の楽しめることをしておけばよかった」という後悔が強いほど後の試験で自律的な動機づけが低いことが分かった。
研究メンバーは、「本研究では、自律的な動機づけの獲得に寄与するのは、出来事の直後に生じる後悔であるという結果が得られました。(中略)今後の研究では、自律的な動機づけの獲得に関わる心理プ ロセスの理解を深め、人に備わっている成長傾向をうまくサポートできるような教育方策につなげることを目指したいと考えています。」とコメントしている。
なお、この内容は「Learning and Individual Differences」電子版に掲載された。
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