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京大、iPS細胞を使って遺伝子を修復させることに成功
ジストロフィン遺伝子を修復するための三つの戦略を示す図(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の堀田秋津助教・李紅梅大学院生らによる研究グループは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者から作製したiPS細胞を使って、病気の原因遺伝子であるジストロフィンを修復することに成功した。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、ジストロフィン遺伝子の機能喪失によって筋肉が萎縮する病気で、30億もの塩基で構成される巨大なヒトゲノムの中で、ジストロフィン遺伝子1ヶ所だけを精密に修復するのは困難であった。
今回の研究では、まずデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者の細胞からiPS細胞を作製し、欠損しているジストロフィン遺伝子の44番目のエクソンを挿入することで遺伝子を修復させるのが有効であることを突き止めた。実際に、この方法で遺伝子修復をしたiPS細胞を骨格筋細胞へと分化させたところ、正常型のジストロフィンタンパク質を発現していることが確認できた。
研究メンバーは、「今後、治療に結びつけるためには、修復したiPS細胞からいかに移植に適した細胞を作製するかなど、いくつも課題が残っていますが、今回示した方法が、今後の遺伝子治療の新しい枠組みとなることが期待されます」とコメントしている。
なお、この内容は11月26日に「Stem Cell Reports」に掲載された。
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