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岡山大、成体腎臓から取り出した幹細胞から腎臓構造体を再現
岡山大学の研究グループが作製した腎臓構造体の全体像(岡山大学の発表資料より)[写真拡大]
岡山大学の喜多村真治講師らによる研究グループは、成体腎臓から取り出した幹細胞を用いて、試験管内での腎臓構造の最小構成単位「ネフロン」の再現に世界で初めて成功した。
日本国内の慢性腎臓病患者は8人に1人いると言われており、慢性腎不全の透析患者も増加している。一方で、幹細胞から網膜・脳の一部・肝臓の一部を作製した報告はあるものの、実存の臓器構造に酷似した組織レベルの再現は成功例がなかった。
今回の研究では、大人のラットから採取した腎臓幹細胞をECMゲルで満たしたトランスウェル内で三次元培養することで、本物の腎臓の構造の最小構成単位であるネフロン構造を有する腎臓構造体の作製に成功した。
今後は、幹細胞から腎臓構造が再構築されるメカニズムの詳細を明らかにし、腎不全の新たな治療や移植可能な臓器作製が実現されると期待されている。
なお、この内容は11月24日に「STEM CELLS」に掲載された。
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