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師走相場は重要イベントが目白押し、IPOラッシュ関連株に先回り買い妙味=浅妻昭治
<マーケットセンサー>
永田町の国会議員の先生方(師)が、12月14日の衆議院議員選挙の投票日に向けて、選挙カーに乗って街中を走り回るからまさに「師走選挙」である。兜町の投資家の面々だってこの駆け比べでは負けていない。12月相場は、この選挙結果を先取りして株高か株安か揺れ動くのに加え、開設したNISA(少額投資非課税制度)の未使用枠の完全消化、さらには月間26社にも達する12月のIPO(新規株式公開)ラッシュも続き、右に左にと大忙しのイベントが続き、同じく「師走相場」を走り切らなければならない。
あと1週間を残す11月相場は、「ドッキリカメラ」のオンパレードであった。黒田日銀が決定した追加金融緩和策、安倍晋三首相が政治決断した消費税再増税先送りと解散・総選挙、内閣府が発表した7~9月の実質GDP(国内総生産)の2四半期連続のマイナスなど、目を白黒くさせるばかりの突発事態続きだったからだ。株価も、そのたびごとに急騰、急落する「高速エレベータ相場」を繰り返し、上に下へと揺さぶられた。師走相場も、どこかに「ドッキリカメラ」が仕掛けられていないかと注視しつつ、毎年恒例の「モチツキ相場」へ臨み、「掉尾の一振」を狙うことになる。
この師走相場の方向性を決定するのは、もちろん衆議院選挙の勝敗、自民・公明の与党の獲得議席数であるのは間違いない。大義名分の「アベノミクスの信任」が、安倍首相の目論み通りに吉と出るか、それとも曲がって凶と出るか、マスコミ各社の情勢分析や世論調査の動向などがそのたびごとに「ドッキリカメラ」となって一喜一憂することが有力である。一方、この政局相場の波及圏外で株価が自律的に動くセクターといえば、IPO市場であることも確実である。選挙の勝敗ラインを巡って、株価が、それこそ再度「高速エレベータ相場」を繰り返すようなら、まさにIPO市場の「上値のシコリがなく、値動きが軽い」とされるキャッチ・コピーが見直される可能性が一段と高まるからだ。
12月のIPOラッシュの最大の享受者は、目出度く有望IPO株を引き当てた投資家となる。しかし抽選に外れた投資家も、このIPO株相場に関与できる方法がないこともない。IPO株の関連株を先回り買いして、当該のIPO株が人気化してツレ高した段階でオコボレを頂戴する方法である。ただこの方法で注意を要するのは、昨今のIPO市場では、既上場の類似会社が、IPO人気を先取りして人気化することはなく、むしろ乗り換えの対象銘柄となって急落するなど、IPOバブル時とは様変わりとなっていることである。これに代わって唯一有効になっているのが、そのIPO株の大株主会社である。
例えば今年3月の介護ロボットのCYBERDYNE <7779> (東マ)のIPOでは、同社の筆頭株主の大和ハウス工業 <1925> の株価が、年初来安値から600円幅の底上げをし、今年10月16日IPOのリクルートホールディングス <6098> では、上位株主に名を連ねる凸版印刷 <7911> 、大日本印刷 <7922> が、同じく年初来安値から底上げし、10月21日の子会社のGMOリサーチがIPOしたGMOインターネット <9449> は、35%高、また、投資育成事業の投資先が相次いだサイバーエージェント <4751> も、自身の東証第1部への市場変更効果もオンして年初来安値から約6割高したといった具合だ。前週もユナイテッド <2497> (東マ)が、12月24日にIPO予定のデータセクション <3905> (東マ)の全保有株を売却すると発表して急伸したばかりである。
12月は26社のIPOが予定され、1日に5社同時IPOのケースもあり資金分散から高初値倍率株、低初値倍率株の選別が強まりことが予想されるが、事前に高人気化が予想されているIPO株の関連株に絞り込めば、「掉尾の一振」が狙えるはずである。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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