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京大、生物が温度を感知する基本的な仕組みを解明
京都大学の井上武特定助教・阿形清和教授らによる研究グループは、生物が温度神経で感知した情報を脳に伝えて適切な行動を取るための一連の仕組みを解明した。
ほとんどの生物にとって、環境温度は行動様式・恒常性・生存・生殖戦略に大きな影響を与える。しかし、温度感知に関する神経回路については明らかになっていなかった。
今回の研究では、哺乳類と同等の神経細胞セットを持ちながらも、シンプルな脳の構造をしているプラナリアを用いて温度感知機構の解析を行った。その結果、TRP-Mファミリーのタンパク質が温度を感知していることが分かった。また、脳のセロトニン神経細胞の活性を抑制すると、プラナリアは温度感知できなくなることも明らかになった。
研究グループは、プラナリアが低温を好むことも発見しており、今後は、同じ温度環境でも生物によって反応が異なる点に注目し、その進化的な意義を解明していくことが期待されている。
なお、この内容は11月19日に「The Journal of Neuroscience」オンライン版に掲載された。
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