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東大、ハネカクシの巧妙な翅(はね)の収納メカニズムを解明
オオアバタウミベハネカクシ。A:後翅を閉じた状態、B:後翅を拡げた状態、C:収納状態の後翅(鞘翅を外したところ)(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の斉藤一哉助教らによる研究グループは、昆虫の中でも特に収納効率に優れているハネカクシの後翅の折りたたみメカニズムを明らかにした。
昆虫の翅(はね)の収納効率は非常に優れており、航空宇宙工学や機械工学といった分野でも注目されている。昆虫の中でも、ハネカクシの仲間は左右の翅が非対称に折りたたまれるという独特な構造を持っていることが知られていたが、その折りたたみプロセスなどについての詳細は明らかになっていなかった。
今回の研究では、ハイスピードカメラを使ってハネカクシの離陸と翅の収納動作を解析した。その結果、ハネカクシは他の昆虫とは異なり、左右の翅を重ねてから2枚同時に折りたたむこと、そして左右の翅の折りたたみパターンを入れ替えて収納することも可能であることが分かった。
今後は、本研究成果が宇宙空間で用いる展開構造や、傘・扇子といった日用品まで、幅広く応用することができると期待されている。
なお、この内容は11月3日に「米国科学アカデミー紀要」電子版に掲載された。
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