【コラム 金澤悦子】女たちよ、「誰が選ばれるか」というサバイバルゲームから今すぐ降りよう!

2014年11月3日 08:39

印刷

記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【11月3日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

■みんなと仲良くしなければならない?


 筆者が代表を務める『はぴきゃりアカデミー』の修了生に「カステラ」という名のハンドメイド系のセレクトショップを経営する女性がいる。

「カステラのように、老若男女みんなに愛される店にしよう」

と、この店名にしたそうだ。

しかし、店舗運営をしているうちに、

「これは本当にやりたいことだったのだろうか?」

と悩むようになり、当アカデミーの門を叩いた。

幼い頃から母や姉のファッション雑誌から写真を切り抜いて、

「このトップスにはこのスカートの方が合う」
「柄はこっちの方がオシャレ」

と、自分なりのコーディネイトを楽しむ子どもだったという。

他の子どもと違っていたのは、単なる着せ替え人形のような遊び方ではなかったこと。

プロのスタイリストがコーディネイトするものに、

「私ならこうするのに」

と、自分の意見をハッキリ持っている子どもだった。

しかし、母親から、

「みんなと仲良くしなさい」
「自己主張はよくない」
「目立ちすぎるのはよくない」
「みんなに合わせなさい」

そう言われて育った。

■みんなの「大好き」を大事にしたい


いつしか「みんなに愛されなければいけない」と思うようになった。

転機は、「ひとりひとりが違ってて尊いもの」という強い思いに気づいたこと。

「みんなに愛されなければならないって思っていたけど、やっぱり、ひとりの“大好き”を大事にしたい。自分がつくるひとつひとつのアクセサリーに思いっきり共感してもらえる方がうれしい!」

巷に溢れるものではなく、古い生地、変わった模様、意外な色の組み合わせ、
自分のモノづくりを通じて、「違ってていいんだよ」

そんなメッセージを伝えたかったんだ、と気づいた。

モヤモヤが一気に晴れた。

精神科医の水島広子氏は著書『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版刊)で以下のように述べている。

「選ばれる性」である「女」は、どうしても「相手からどう思われるか」というところに目がいきます。自分を選ぶのは相手だからです。ですから、その注目先は閉鎖空間における「相手との関係性」です。関係性を重視するというのは、「女」の特徴の一つです。「相手からどう思われようと自分の道を追求したい」

などという思いにはなりにくいのです。

昔の女性は自力で社会的地位を築くことが難しかったため、どんな男性と結婚するかが自身の社会的地位を決定づけた。

■未だに結婚相手のステータスが判断基準


今や女性も自立している時代である。

だが、未だに「どんな男性と結婚したのか」は、その女性の価値として語られることが多いのは周知の事実。

このような社会環境から、女は相対的にものを見る生き物となった。

誰かが選ばれたとしたら、それ以外は選ばれなかったということである。誰かが褒められれば、それ以外は褒められない。

そんな相対的な視点の中で生きる女たちは、いつも心のどこかが傷ついている。だから、自分とは違うものは敵とみなし攻撃する。たとえ、すでにたくさんのものを手に入れていたとしても、自分が持っていないものを持っている女性に嫉妬する。

女がつるむのは、誰かが選ばれないように監視するための装置なんである。

話を戻すと、「みんなと仲良くしなさい」という教育は一見正論でありながら、女の個性を骨抜きにし、「男に選ばれる性」を製造し続けてしまっているのかもしれない。

では、どうすればよいかというと、「誰が選ばれるか」というサバイバル・ゲームから降りる勇気を持つことであると水島氏は言う。

確かに、周りをみれば、男性にはモテないけれど(笑)、個性豊かな女性たちは輝いている。

「どう思われるか?」ではなく、「どうしたいか」で考える。これがハッピーな人生への第一歩なのである。【了】

 かなざわ・えつこ/株式会社はぴきゃり代表取締役・編集長。1991年、現株式会社リクルートホールディングス入社。94年、株式会社キャリアデザインセンターに創業メンバーとして参画。01年、日本初の総合職女性のためのキャリア転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ」を創刊し、編集長に就任。5000人以上の女性を取材する。現在、女性限定「お仕事ブログ」コミュニティサイト「はびきゃり」(http://happycareer.jp/con/)の運営や、オリジナル素質診断ツール「i-color」を使ったセミナーを通じて、年間300人以上の女性たちを「ココロとサイフが満たされる仕事発見」へと導く。著書に、「ハッピーキャリアのつくりかた」(ダイヤモンド社)等がある。

■関連記事
大渕愛子弁護士の事件簿、今度は母子家庭で経済的に困窮していた元依頼者が懲戒請求申立て
【コラム 黒薮哲哉】朝日バッシングに見る国際感覚の欠落、雑誌ジャーナリズムにおける海外との質の差が顕著に
【コラム 山口一臣】日進月歩のIT技術に刮目、大阪マラソン2014はスゴい!

※この記事はSakura Financial Newsより提供を受けて配信しています。

関連記事