東大、白質病変は高齢者の運転能力を低下させることを明らかに

2014年10月14日 10:26

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 東京大学の中野公彦准教授らによる研究グループは、大脳白質病変の高齢者は運転能力が低下していることを明らかにした。

 白質病変とは大脳内にできる細胞の隙間であり、重度の患者は脳機能が低下することが分かっている。しかし、軽度の白質病変では脳機能の低下を示すデータがなく、運転能力への影響が分かっていなかった。

 今回の研究では、運転への注意が妨げられている時とそうではない時の運転を観測した。その結果、白質病変の有無によって高齢者の運転能力には差があることが示された。白質病変はMRI画像診断で分かるため、MRI画像によって運転能力が評価できるようになる可能性がある。

 本研究成果は、高齢者の運転教育や運転支援法を考える時の基礎データとして活用できると期待されている。

 なお、この内容は「PLOS ONE」に掲載された。

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