【鈴木雅光の投信Now】本格的な米国バリュー株ファンドに投資する

2014年9月26日 11:23

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  米国で、バリュー投資の始祖といえば、「証券分析」、「賢明なる投資家」の著書で知られているベンジャミン・グレアム(1894~1976年)だが、その分析手法を取り入れ、実際の運用で高いパフォーマンスを上げている投資会社のファンドが、日本の銀行を通じて購入できることを、ご存じだろうか。

  この投資会社はGAMCOアセットマネジメントで、その創業者であるマリオ・ギャベリーは、バリュー投資の第一人者と言われている。彼の米国株バリュー投資のパフォーマンスは、1977年9月末から2013年11月末までの米ドル建て累積リターンで、何と2万2172%。同期間のS&P500株価インデックスが5319%だから、市場平均に対して約4倍ものパフォーマンスを上げていることになる。

  現状、GAMCOアセットマネジメントは日本国内において投資信託会社としての認可を受けてはいないが、同社が投資助言を行うファンドが、今年3月から日本国内で運用されている。DIAMアセットマネジメントが設定・運用している「米国割安株ファンド(愛称:ザ・バリューハンター)がそれだ。この間、円安が進んだという事情はあるものの、3月18日から9月19日までの騰落率は13.67%。まだ運用開始から半年のパフォーマンスなので何とも言えないが、安定的にリターンを積み上げている。

  バリュー株ファンドなので、価値に対して株価が割安な銘柄を組み入れる。本源的価値分析といって、事業価値や資産価値、経営者の資質などに対して株価が割安な銘柄を探すと共に、市場がその本源的価値に気付く出来事がいつ発生するのか、という点まで分析して投資する。

  えてしてバリュー株は、市場がその価値に全く気付かず、割安に放置されたままになっているケースが少なくない。市場が本源的価値に気付く時期にまで踏み込んだ分析は、その点で有効だ。ちなみに、これをキャタリスト分析といって、具体的には、経営陣の変更はいつか、自己株式取得の時期はいつか、新商品の影響があらわれるのはいつか、業界再編が起るのはいつか、規制緩和が起るのはいつか、技術革新が起るのはいつか、といった点を見極める。

  NISAで米国株に直接投資した場合、現地で課税される配当課税は非課税扱いにならない。つまり配当金の10%は課税されてしまう。NISAで米国株に投資した場合の最大のデメリットだが、投資信託であれば分配金、値上がり益ともに非課税扱いになる。NISAを用いて、長期スタンスで米国株に投資するなら、ひとつの選択肢になりそうだ。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【特集】シルバービジネス・高齢化社会関連(2014/09/24)
【特集】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連(1)(2014/09/16)
「買いたい弱気」とバランスを取り日経225構成の好配当・低PBR株に超短期限定対応も一法=浅妻昭治(2014/09/24)
【今日の言葉】NYダウ急落、金利引上げに代わってテロの脅威(2014/09/24)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事