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理研、前立腺がんの発症を高める遺伝子23個を発見
多人種での前立腺がんのゲノムワイドSNP関連解析の結果を示す図(理化学研究所の発表資料より)[写真拡大]
理化学研究所の中川英刀チームリーダー・高橋篤チームリーダーらによる研究グループは、大規模な遺伝子解析によって、前立腺がんと関連のある遺伝子23個を発見した。
日本における前立腺がん患者数は、1975年は10万人あたり7.1人であったが2008年には約6.5倍の46.1人に増加している。これまでの研究で前立腺がんの発症に関連する多数の遺伝子やSNP(一塩基多型)が発見されており、前立腺がんの発症には遺伝的要因が深く関わっていること明らかになっている。
今回の研究では、日本人を含む様々な人種8万7,040人分のゲノムワイドSNP関連解析をおこなったところ、前立腺がんと強く関連する23個のSNPが発見された。さらにこれらのSNPは1つあたり1.06~1.14倍、前立腺がん発症リスクを高めることも分かった。既に77個のSNPが発見されているため、今回の結果と合わせると100個ものSNPが前立腺がん発症と関連していることになり、これは他のがんと比べても最大の数になる。
今後は、日本人の前立腺がんSNP関連解析をさらに進めることで、より精度が高く日本人に合った前立腺がんの発症リスク評価方法や診断方法の開発に繋がると期待されている。
なお、この内容は「Nature Genetics」に掲載された。
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