デング熱撲滅のため、特定のバクテリアを保持する蚊を放つ実験

2014年9月19日 16:03

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 日本でも最近話題になっているデング熱は、蚊を媒介として感染する。そこで、「デング熱に対する免疫を持つ蚊」を放つことで、デング熱を撲滅するという試みが行われるそうだ(ウォール・ストリート・ジャーナル)。

 この実験では、「ボルバキア」という共生細菌を保持するよう特別に育てられた蚊を使用する。ボルバキアはそれを保持する蚊の免疫系を操作し、デングウイルスに対する免疫を作るという作用を持っているという。

 ボルバキアを保持する蚊が野生の蚊と交配すると、ボルバキアがその子孫に受け継がれ、子孫はデングウイルスに対する免疫を持つようになる。そして、時間の経過とともにデングウイルスを運ぶ能力のある蚊が減っていく、という仕組みらしい。

 研究チームはインドネシア・ジョクジャカルタでボルバキアを保持する蚊を数千匹放ったほか、9月下旬にはブラジル・リオデジャネイロのスラム街で大規模な蚊の放出実験を行う計画だという。

 なお、ボルバキアは「オス殺し」や「メス化」などの性質を持っており、自身の増殖に有利なメスを増やし、不利なオスを減らすような作用を宿主に対し行うという。

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