ジョブ・リターン制度拡大 急がれる女性労働力の活用

2014年9月18日 11:06

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記事提供元:エコノミックニュース

 9月3日に第2次安倍改造内閣が誕生した。女性閣僚が過去最多タイの5人生まれたことが話題を呼び、内閣支持率も回復している。安倍内閣が掲げるアベノミクスの3本の矢。その成長戦略の中にも、女性が活躍できる社会の実現を目指した施策が並んでいる。女性の活用を積極的に推し進める安倍内閣。そこには日本の国際競争力を維持する思惑がある。

 2013年の日本の労働人口は6,577万人である。しかし内閣府がまとめたデータによると、現状のまま推移すると30年には5,683万人となり労働人口は約900万人減少。60年には3,795万人となり、約2,800万人も減少する試算となる。もし経済成長が拡大し、労働参加が増えれば30年の労働人口は6,285万人となり、300万人ほどの減少に食い止めることができる。現在の経済規模を維持するためにも労働人口の確保は日本にとって喫緊の課題であるが、その労働参加の中心となるのが女性である。

 こうした背景を踏まえ、企業の女性活用も加速している。その1つの施策が「ジョブ・リターン」制度だ。子育てや配偶者の転勤などを理由に退職した女性社員を一定期間後、企業が再び雇用。その人が持つ能力や経験を、企業のリソースとして活用しようという動きが広がっている。仕事の進め方や社内風土などを熟知している元社員を活用することで、社員教育にかかるコストを抑えられると共に、ミスマッチ採用のリスクを減らすことも可能だ。

 今後、労働人口が減る中で、企業による優秀な人材を獲得する競争が激化し、魅力的な労働環境を提供する企業に人気が集まるようになるだろう。女性が安心して働ける職場はその1つの指標となる。厚生労働省が発表した13年度の雇用均等基本調査によれば、育児休業を取得した女性が74.2%いるのに対し、男性は1.5%にとどまっている。子育ての負担が女性に偏っている現状に変わりはない。しかし、もし出生率が2.07に回復し労働参加も進んだ社会になれば、60年の労働人口は5,407万人となり1,100万人の減少に押しとどめることができるという。女性が働きやすい環境を整えることが急務となっていると言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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