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短時間正社員、「なりたいけど、実際は無理かも」4割 主婦調査
人手不足を背景に、パートやアルバイトを「限定正社員」として囲い込む動きが加速している。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、1万6000人の非正規社員を正社員登用することを決めた。勤務時間や地域などを柔軟に選べるようにし、応募を促すという。スターバックスジャパンも今春、契約社員のうち希望者全員を正社員化。日本郵政グループやIKEAなど、同様の動きは大手を中心に広がっている。
背景には、慢性的な人材難を受けて、企業が主婦や若者などの労働力を確保したいとの思惑もある。主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」を運営するビースタイルが、働く意欲のある主婦層を中心にウェブ調査を実施したところ、条件さえ合えば「短時間正社員」として働いてみたいとの回答は84.7%にのぼった。家庭との両立ができるなら働きたいという女性は多く、こうした人材を求める企業が「正社員」の安定性をアピールしている側面もある。
ただ、「限定正社員」や「短時間正社員」などの働き方が、広く知られているとは言いがたい。厚生労働省によれば、短時間正社員とは、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を結び、時間あたりの基本給と賞与・退職金などの算定方法がフルタイム正社員と同等である社員のこと。ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができるとしている。先述のビースタイルが、こうした定義を説明した上で、就労意欲のある主婦ら417名を対象に調査したところ、「短時間正社員という働き方を知らなかった」が最多の54.2%を占めた。次いで「知ってはいたが詳しくない」が40.8%で、「詳しく知っていた」は5%にとどまった。
短時間正社員制度が普及すれば、政府のいう「多様な働き方」が、ひとまずは実現できるだろう。潜在的な労働力である専業主婦の就労を促すことも可能だ。一方、「短時間正社員で働いてみたいし、実際になれると思う」と答えた主婦は45.6%、「短時間正社員で働いてみたいが、実際にはなれないと思う」は39.1%と、働く意欲を持った主婦の中でも意見は割れている。対応している職種がサービス産業に偏っていることや、主婦の就労を阻む「103万円の壁」など、正社員化への課題は多い。(編集担当:北条かや)
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