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阪大、2つの分子が1次元方向に連なった1次元2量体の合成に成功 水素吸蔵に優れた性質
自己組織化を経て得られる1次元2量体の合成の概要を示す図(a)Cu(HCO2)2・4H2O, (b)C5H5N, (c)1次元2量体C12H12CuN2O4, (d)C12H12CuN2O4の単結晶写真。C, O, Cu, N, Hはそれぞれ緑色、オレンジ色、青色、黄色、ピンク色で示されている。(a)中の水分子は省略し、(c)では2量体が破線で囲まれている。(大阪大学の発表資料より)[写真拡大]
大阪大学の高見剛助教・川村和司技術職員らによる研究グループは、自己組織化を利用することで、2つの分子が1次元方向に連なった新物質1次元2量体を合成することに成功した。
近年、石油代替エネルギーとして水素の活用が期待されており、そのためにはエネルギーキャリアとしての水素を貯蔵・放出する技術が必要になる。しかし、これまでの水素吸蔵合金や多孔性物質などは、重量、水素吸蔵・放出の不可逆性、室温での動作性に問題があり、幅広く応用できていなかった。
今回の研究では、これまでほどんど注目されてこなかった弱塩基性物質を用いて、熱や圧力を加えずに自己組織化を利用して新物質を創製した。その結果、室温における既存の金属有機構造体の中で最大の水素吸蔵量(2.5-3wt%)を持つことが分かった。また、水素吸蔵・放出の圧力依存性が可逆特性を示すため応用しやすいという特徴も持っていることが明らかになった。
今後は、水素社会の実現に向けて、本研究成果が水素吸蔵の観点から貢献できると期待されている。
なお、この内容は9月4日に米国物理協会が出版する「APL Materials」オンライン版に掲載された。
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