三菱電機、再生可能エネルギーの不安定さを解消する機器を製品化

2014年8月25日 21:06

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三菱電機が製品化した自励式無効電力補償装置(SVC-Diamond)MMCモジュール参考図

三菱電機が製品化した自励式無効電力補償装置(SVC-Diamond)MMCモジュール参考図[写真拡大]

 三菱電機は25日、再生可能エネルギー普及による電力安定化の課題を解決するため、新しい自励式無効電力補償装置を製品化すると発表した。無効電力は、負荷で消費されない電力だが、電力系統の安定化のために、無効電力が過不足なく供給される必要がある。今回の新しい補償装置は、外部電源に頼らず作動し、無効電力の補償だけでなく、きめ細かな電力系統解析による最適ソリューション(課題解決)と、リアルタイムシュミレーション技術による電力品質問題の解決に役立てることができるとされている。2016年以降に初号機の出荷を目指す方針である。

 風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及に伴い、電力業界では、電力系統の安定化が大きな課題となっている。再生可能エネルギーは自然エネルギーのため、出力や電圧が不安定で、既存の電力系統に接続した場合、系統全体に大きな影響が及ぶことになる。こうした不安定さを解決するため、高品質で、高い信頼性の無効電力補償装置が求められている。

 今回の新しい無効電力補償装置は、MMC( Modular Multilevel Converter)方式と呼ばれるもので、モジュールと呼ばれる単位変換器を多段に構成して1つの変換器システムに組み上げた。そのため、小型軽量化、高速応答性を実現できたとされる。無効電力補償装置の市場は年率5%の拡大が期待され、2018年には、2000億円規模になると予想されている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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