京大、早産児と満期産児は鳴き声の高さが違うことを明らかに

2014年8月23日 23:28

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早産児・満期産児の泣き声の計測時期(左)と、泣き声の音響スペクトログラム(右)。スペクトログラム中の青線は、泣き声の高さ(基本周波数「F0」)の時間的な推移を示す(京都大学の発表資料より)

早産児・満期産児の泣き声の計測時期(左)と、泣き声の音響スペクトログラム(右)。スペクトログラム中の青線は、泣き声の高さ(基本周波数「F0」)の時間的な推移を示す(京都大学の発表資料より)[写真拡大]

 京都大学の明和政子教授による研究グループは、予定日より早く出生した子供ほど高い声で泣くことを明らかにした。

 乳児の泣き声は、神経生理状態を把握するための一つの指標だと考えられてきたが、これまではそのメカニズムや子宮内発育の程度との関係性は不明であった。

 今回の研究では、早産児で予定日前後まで成長した子供と、満期新生児の泣き声を音響解析したところ、出生予定日より早く出生した子供ほど、泣き声の音が高いことが分かった。また、泣き声の高さと身体の大きさは関連していないことや、子宮内発育の遅延と泣き声の高さにも関連性がないことが示された。

 研究メンバーは、「早産児の心身の発育の困難さを生後早期から評価し、支援するための簡便な指標の一つとして本研究が役立つよう、これからも検証を積み重ねていきたいと思います」とコメントしている。

 なお、この内容は8月13日発行の「Biology Letters」に掲載され、「Science」の最新ニュースとして取り上げられた。

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