シグナス補給船運用2号機、運用終了 大気圏に再突入

2014年8月19日 15:21

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記事提供元:sorae.jp

シグナス補給船運用2号機、運用終了 大気圏に再突入(Image credit: ESA)

シグナス補給船運用2号機、運用終了 大気圏に再突入(Image credit: ESA)[写真拡大]

 オービタル・サイエンシズ社の無人補給船シグナスの運用2号機(Orb-2)が、約1ヶ月に渡る国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションを終え、15日にISSから離脱した。そして17日に大気圏に再突入し、運用を終えた。

 シグナスOrb-2は8月15日18時14分(日本時間、以下同)、ISSのロボット・アーム、カナダーム2によって、結合されていたハーモニー・モジュールから取り外され、各種チェックの後、19時40分にリリースされた。そして単独飛行の後、8月17日18時15分ごろ、ニュー・ジーランドの東の上空で大気圏に再突入し、船内に搭載されていたISSで発生したゴミと共に燃え尽き、ミッションを完了した。

 シグナスOrb-2は米東部夏時間2014年7月13日、アンタレス・ロケットに載せられ、米ヴァージニア州のNASAワロップス飛行施設内にある中部大西洋地域宇宙港(MARS、Mid-Atlantic Regional Spaceport)の0A発射台から打ち上げられた。打ち上げ後、シグナスOrb-2は単独飛行を続け、徐々にISSに接近。そして7月16日にISSに到着した。

 シグナスはオービタル・サイエンシズ社が開発、製造する無人輸送船で、NASAと交わされている商業補給サービス契約に基づき、ISSへの補給を担っている。

 貨物を搭載する部分はスペースシャトルで使われていたコンテナ、多目的補給モジュールが基になっており、今回のミッションでは合計で1,493.8kgもの食料や、ISSで使われる機器や実験装置、ISSから放出するための32機の超小型衛星などを搭載していた。これらはISS到着後、ISSに滞在中の宇宙飛行士らによって運び出された。またそれと入れ替えに、ISSで発生したゴミが約1,340kg積み込まれた。

 シグナス補給船は2013年9月18日に試験機が打ち上げられ、無事に成功。その成功を受け、2014年1月9日に、NASAとの商業補給サービス契約に基づく1回目のミッション、シグナスOrb-1が行われ、こちらも成功に終わった。今回のミッションは同契約に基づく2回目のミッションであった。商業補給サービスのミッションは全8回が計画されているが、ISSの運用が2024年まで延長される見通しであることから、それに伴いミッションは増やされることになろう。

 次のシグナス補給船、すなわちシグナスOrb-3の打ち上げは、現在今年の10月中旬に予定されている。この打ち上げでは、アンタレス・ロケットのバージョンのひとつ、アンタレス130が初めて使用される。外見には大きな変化はないが、第2段により強力なキャスター30XLロケット・モーターを装備する。

(冒頭の写真は、ISSに滞在中の欧州宇宙機関のアレクサンダー・ゲルスト宇宙飛行士が撮影した、大気圏に再突入したシグナスOrb-2が燃え尽きる様子)。

■Orbital Completes Third Cargo Delivery Mission to International Space Station for NASA
http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=1912

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