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H-IIAロケット25号機の打ち上げは10月7日に 気象衛星「ひまわり8号」を搭載
H-IIAロケット25号機の打ち上げは10月7日に 気象衛星「ひまわり8号」を搭載(image credit: 三菱電機)[写真拡大]
三菱重工業株式会社と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、気象庁の静止気象衛星「ひまわり8号」を搭載したH-IIAロケットを、2014年10月7日に打ち上げると発表した。H-IIAでの静止衛星の打ち上げは、14号機で打ち上げた「きずな」以来、実に7年ぶりとなる。
打ち上げ時刻は2014年10月7日の14時16分。打ち上げが可能な時間帯は4時間後の18時16分まで設定されている。また打ち上げ予備期間として、翌10月8日から10月31日までが取られている。
今回使用されるH-IIAは、固体ロケット・ブースター(SRB-A)を2基持つ、H-IIA 202、あるいは標準型と呼ばれる構成で、衛星フェアリングは4S型と呼ばれる、4mの直径を持つフェアリングが装備される。
ロケットは打ち上げ後、固体ロケット・ブースター(SRB-A)や衛星フェアリング、燃焼の終わった第1段を次々分離しつつ飛行。そして2度に分けた第2段エンジンの燃焼の後、打ち上げから27分57秒後に、「ひまわり8号」を分離する。投入軌道は近地点高度約250km、遠地点高度約35,976km、軌道傾斜角22.4度の静止トランスファー軌道で、その後は衛星側のスラスターによって、目的地である静止軌道に向かう。
H-IIAにとって静止衛星の打ち上げは、2008年2月23日の超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打ち上げ以来、実に7年ぶりのこととなる。
「ひまわり8号」は気象庁が運用する気象観測衛星で、三菱電機株式会社によって製造。衛星には雲の様子を撮影するための可視赤外放射計を搭載。現在運用されている「ひまわり6号」、「同7号」に搭載されている可視赤外放射計と比べ、より詳しく観測することが可能となっている。また、従来であれば約30分かかっていた衛星から見える全範囲の観測を、10分毎に短縮。さらに日本付近にであれば2.5分毎での観測も可能だという。
打ち上げ時の質量は約3,500kgで、東経約140度の静止軌道で運用される。設計寿命は観測機器が8年以上、衛星本体は15年以上と見込まれている。
現在軌道上には「ひまわり7号」が運用中で、先代の「ひまわり6号」も予備機として待機運用がされており、「ひまわり8号」はこれらの後継機となる。また「ひまわり6号」、「同7号」は2015年まで運用される予定だ。また2016年度には、「ひまわり8号」の同型機「ひまわり9号」の打ち上げが予定されており、打ち上げ後は8号のバックアップとして待機する。また2022年からは立場が入れ替わり、9号がメイン、8号がバックアップとなる。
「ひまわり8号」、「同9号」は、気象庁単独の資金で開発される初の衛星となる。「ひまわり」の1号と2号機は科学技術試験衛星、また3号機から5号は科学技術衛星という扱いだったため、科学技術庁が費用のすべて、もしくはかなりの額を負担していた。また6号と7号は航空保安システム機器を搭載した運輸多目的衛星だったため、国土交通省航空局が約70%を負担した。
8号、9号でも、運輸多目的衛星のように、他ミッションとの複合衛星にすることが検討されたが、相手が見つからず、一方で6号と7号の寿命が近づきつつあったこともあり、最終的に気象庁が全額負担して開発されることとなった。
8号と9号の打ち上げは約2年ほど間隔が開くことになるが、その間のバックアップは7号が務めることになっている。
■JAXA | H-IIAロケット25号機の打上げについて
http://www.jaxa.jp/press/2014/08/20140807_h2af25_j.html
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