北大、アラスカで大量の恐竜化石を発見し、その集団行動を解明

2014年8月7日 19:40

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デナリ国立公園の恐竜足跡化石産地(北海道大学の発表資料より)

デナリ国立公園の恐竜足跡化石産地(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 今回発見されたハドロサウルス科の足跡化石。A:成体の足跡、B:亜成体の足跡、C:幼体の足跡、D:皮膚痕(北海道大学の発表資料より)

 北海道大学は、アラスカで大量の保存状態が良い恐竜の化石を発見し、ハドロサウルスが集団で生活していたことや北極圏で越冬していたことを明らかにした。

 白亜紀後期は恐竜が最も栄えていた時代で、当時陸続きであったベーリング陸橋を渡って恐竜が2大陸間を行き来していたと考えられている。実際にアラスカ州では恐竜の骨化石が発見されているものの、厳しい環境の中でどのように暮らしていたかは明らかになっていなかった。

 今回の研究では、米国アラスカ州デナリ国立公園で2007年から化石調査をおこなったところ、大量の化石が発見され、そのおよそ半分は皮膚痕が残っている程、保存状態の良いものであった。発見されたハドロサウルス科の足跡の大きさを統計解析したところ、成長段階1(幼体)は13%、成長段階2(亜生体)3%、成長段階3と4(生体)が84%であることが明らかになった。さらに幼体を含む集団で生活をしていたことから、長距離移動をすることは難しく、北極圏で冬を越していたことも分かった。

 今後は、ハドロサウルス科だけでなく、当時の北極圏の生態系を解明していくことが期待されている。

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